きゃらぶき
材料
フキ・酒・みりん・砂糖・醤油・赤唐辛子
食材を訪ねて 厳選素材:フキ
香りのよさと歯触りが好まれている春野菜だが(春から秋まであるが、美味しく食べられるのは4~6月まで。7月を過ぎると硬くなり、苦味も強くなって食用に適さなくなる)、栄養成分的にはあまり期待できない。
普通は茎だけだが、柔らかいものは葉も佃煮や菜飯などにして食べる。
ふき刈り
精進・祭り料理の「煮しめ」には無くてはならないフキだが、こちらでは一年食べる分を刈らなくてはいけないので大変な仕事である。
「一番ブキ」、「二番ブキ」(「一番ぶき」を刈った後に出てくるフキのことで、「一番ブキ」より、細くて柔らかい)と2回に分けて刈る。
陽の当たらない草むら(ふき畑)の中のフキが長くて細く好まれる。
途中で折れないように家まで持ち帰り、長さ、太さで選別して紐でくくる。ゆがいて皮をむくのが一番世話で(爪や手先がアクで黒ずみ、洗っても中々落ちない)、空気に触れないよう何度も水を替える。こちらでは井戸の水を出しっぱなしにしておいたり、沢の水を利用したりする。(空気に触れると黒ずんで色が悪くなり、煮しめに向かないので、剥いた皮を上に載せておいたり、蓋をかぶせたりして重石をしておく。
水につけたまま放置しすぎるとヌルヌルしてくる。(特に天気の良い日にはすぐにぬるま湯に変わってしまうので注意。)
その後大きな樽に塩漬け(糠を一緒に入れる場合もある)して保存し(おまじないで、一番上にすいこんの葉を入れる人もいる)、必要な時に何把か取り出しては塩出しして使う。
赤ブキは道端に生えているもので、根元が赤くなっているのが特徴。アクが強い。青(白)ブキは湿地などに生えている(作りぶき・・・肥料をまいたりして世話しているフキ〉物で、太くて苦味も少ない。
一般的に赤ブキはきゃらぶきなどに、青(白)ブキは煮しめ用に好む。
作り方
①フキは3cmぐらいに切りそろえ、水につけておく(アクが強いので何度か水を替える)
②鍋に醤油を入れ、炒める(ふきのアクが出て色の悪くなった醤油は捨てる)
③酒、みりん、砂糖、醤油、唐辛子を加えて煮る
④煮立ってきたら返しながらじっくり煮詰める(出来れば1日がかりで煮る)
⑤冷めたら密閉容器に入れて保存する
point
・水あめや蜂蜜(蜂蜜は入れすぎると独特の臭いがする)などを入れるとテリが出て仕上がりがきれいになる
・水を使わないので長期保存可