ゲン・サトヤマ

「おらっちゃ」というのは,奥能登地方の方言で,「わたしたち」という意味の言葉です。「おらっちゃ」にはNPO会員だけではなく,能登半島に住む皆さんも含んでいます。

1.趣旨

 「豊か」と言われる能登半島の自然,中でも半島最先端に位置する珠洲には貴重な自然が開発されることなく残されており, 自然景観や風習など先人達が守り続けてきた貴重な地域文化が,四季を問わず今も市内の至るところに生活の一部として残されています。 ほとんどの珠洲や奥能登の住民が,そこに存在すること自体当たり前と感じてきた「貴重な自然」が, 実は日本の中でも貴重なものであることを金沢大学の「能登半島里山里海自然学校」がその活動を通して私たちに気付かせてくれました。
 特に,自然と向き合い生活の中に取り込んできた奥能登の農林業は,「里山」という定義で位置づけされ, この活動を未来に残すことは奥能登珠洲に住む私たちの責務と感じています。
 私たちの先人が培ってきた山や海との付き合い方を「里山里海活動」として位置づけ,その様々な活動を通し, 自然が私たちに与えてくれる“恵み”のすばらしさ,ひいては奥能登の潜在力に住民自らが気づき, そのことによって奥能登に住む人が地域に誇りを持って暮らすことが出来るよう,その中心的な役割を担う組織として当法人を設立いたします。

2.設立に至るまでの経過

 2006(平成18)年10月に設立された「能登半島里山里海自然学校」の活動を珠洲市内で展開する支援をしていくことを目的に同年11月に「珠洲サポート会」を発足いたしました。
 荒廃山林所有者と保全契約を締結した自然学校周辺の保全林の管理作業をはじめ,周辺荒廃水田のビオトープ復元作業など約1年余りの間, 種々の保全活動を通しメンバー自身が珠洲の荒れ果てた里山の現状を認識すると共に,保全作業の成果を確認していく中で, 「里山里海活動」の重要性と意義を感じてきたところです。
 「能登半島 里山里海自然学校」の運営主体である金沢大学は,当自然学校を奥能登における活動拠点として取り組まれていますが, 地元地域住民や珠洲市民にその活動の趣旨や内容に関し十分な認知と告知が出来ていないのが現状です。
 こうしたことから,自然学校運営や自然体験事業の企画・実施,さらには里山里海活動が生み出す貴重で豊富な「恵み」を提供する活動を主な趣旨として,「特定非営利活動法人 能登半島おらっちゃの里山里海」を設立いたしました。

2008(平成20)年1月
特定非営利活動法人 能登半島おらっちゃの里山里海
理事長 北風 八紘(当時)