かぶらずし
材料
カブラ・糀・ご飯・ブリ(サバ・サケ)・ニンジン・酢・塩
エピソード紹介 乳酸菌の宝庫
大腸の中にすむ「善玉菌」である乳酸菌は、便秘を防ぎ、大腸がんの予防にもつながる。
かぶらずしには、ヨーグルトに負けないくらいの乳酸菌があるそうだ。「朝食にヨーグルトとリンゴ」ではなく、「炊き立てのご飯に、味噌汁、かぶらずし」といきたいものである。
*厳選素材 珠洲の塩*
珠洲市外浦の塩街道沿いにある製塩所では、昔ながらの揚げ浜式(室町時代から奥能登一円で続けられてきた製塩法)の塩作り体験が出来る。
「おちょけ」(水を打つ桶)をかついで、塩田全体にまんべんなく海水が広がるよう狙ったところに撒(ま)く。簡単なようでこれが思ったより難しい。でも、青空の下、海水をまいた時の爽快さといったら・・・。
素足で塩田に入るという滅多にない体験をして欲しい。
「揚げ浜式製塩法」
①砂地を平らにならした塩田に海水をくみ揚げてきて繰り返し撒き、塩分を含んだ砂を天日で乾燥させる
②乾いたところでこの砂を「たれ船」と呼ばせる木枠に入れ、そこに再び海水をかけて、塩と砂を分離させる
③10%~20%の濃度の高くなった「かん水」が下にたまる仕組みとなっている
④「かん水」をすくって大釜に入れて一昼夜煮詰めて、塩に仕上げる
塩作りの際に出来るにがりを使った豆腐作りも出来る。
作った塩を入れて茹でたジャガイモの味は格別。
能登町では、自分で作った塩でおにぎり作りの体験メニューも用意されている。
作り方
①ブリ(サバ)は三枚におろし、一口大のそぎ切りにして、酢でしめる。あるいは、塩に漬け込む(塩加減が甘いと、柔らかく生臭くなる)
②カブラの天と地を切り落とし、二つに輪切りにして、その厚みの半分に八分通りの切り目を入れ、塩をふり、重石をして 4~5日塩漬けにする。漬け込む前日に、糀をほぐして温かいご飯を入れて混ぜる(昔はおひつに入れて新聞紙や布にくるんでこたつに入れて、発酵させた)
③ブリとカブラの水気を切り、カブラの中に魚をはさむ
④桶の底に発酵した糀を引き詰め、その上に魚をはさんでカブラを平らに並べ、千切りしたニンジンをまぶす
⑤また糀を敷き詰め、この作業を繰り返す
⑥蓋をして重石を載せ封をして、冷暗所に2週間ほどおく
◎シャキッとした歯ごたえがよければ早めに上げて食べ始める。少し酸味が効いたほうがお好みならもう少し寝かす。
◎最近はブリが高価なのでシメサバを使う家庭もある(ブリよりさっぱりとした味に仕上がる)脂ののりきっているものを使うと、魚のうまみとカブラのうまみが混じりあって、なんとも言えない美味しい味になる。
◎出来れば塩はにがりのきいた荒塩「珠洲の塩」(自然な形でミネラルを含み、雑味が少なく、食材の味を引き出す)がよい
◎かぶら寿司にはカブラを思い切りよく使う。切り落としてもったいないところは塩をしてお漬物や酢物にする。