しただめの酢物
材料
シタダメ・キュウリ・酢・砂糖・醤油
食材を訪ねて 厳選素材:シタダメ
岩場やテトラポットの所に行くと円錐形の小さな貝(藻に覆われていることもある)がくっついている。
こちらでは「しただめ」とか「しったか」と呼ばれているが、見た目が馬のひづめに似ているので「馬蹄螺(ばていら)」という名で一般的に呼ばれている。
形は三角柱(このタイプには藻がくっついていることが多い)であったり、丸みを帯びていたり。蓋がペラペラのもの(このタイプは身を上手く抜きにくく、何度か針でつついているうちに身がボロボロになってしまう)から、石のものなど何種類かある。
万葉集の能登の「くにうた」の中にも出てくることから太古から食べられていたことが分かる。
おつゆのだしとしても十分
少し大きくて砂地にあったり簡単に採れるシタダメには、やどかりが入っていることが多く、ゆでるまで気づかない場合もある。
昔はこのやどかりも甘辛く煮付けて食べたらしい。(食べるとシャリシャリ音がする)
チャレンジしよう、 シタダメむき
シタダメはとても小さいので殻から身を取り出すのがとても大変(こちらでは“世話やわ~”と言う)。
潮風にあたりながら岩場の上を滑らないように歩くだけでも疲れるのに、家に帰ってから針で一個一個身を取り出す苦労は実際やってみないと分からない。
欲ばってとても小さいものまで採ってきた(海の中にあると大きく見えてしまう)時には涙が出てくる。
やっとむき終えたのを横から“美味い美味い”と味見していく(食べていく)家族をキッとにらみながら作業は終了。
カニは丸ごとゆでてあるのが皿にのってど~んと出てくるから“オ~ッ”となるので、全部身むきしたのが皿にのって出てきたら・・・。
シタダメも塩ゆでしたのを針で(これが不思議と針でしか)出しながら食べるのが世話かもしれないがいいと思う。
作り方
①シタダメは殻のまま水洗いする
②湯に塩をひとつまみ入れて10分程ゆで、マチ針等で殻から身をつつき出す
③キュウリは小口切りにして塩で軽くもむ
④食べる直前に酢醤油をかける
◎大根おろしに入れたりもする