昆布巻き(こぶ巻き)
材料
コンブ・身欠きニシン・醤油・砂糖・酒・唐辛子
エピソード紹介 七夕キリコ(子供キリコ)
8月7日の七夕キリコ(最近は休前日や大人・子供の集まりやすい日になってきている)には、特別に祭り料理でもてなすということはないが、子供たちは大きなキリコの後について、自分のキリコを引っ張って(キリコには車が付いているので、正確にはキリコを押して歩くと言った方がいいのかも・・・)町内を練り歩き、目録をもらう。
キリコには、目録を入れておく貯金箱が備え付けてあったり、ジュース・おやつが用意してあり、夜遅くまで家々を回れるように準備万端。
「でんこでん、そーれっ、さーかーやーさっさっ」
子供の人数も減ってきて、キリコの数も昔からみると随分少なくなったようだが、その日に合わせてわざわざ遠方にいる孫を呼び寄せてキリコを出す家もあるようだ。
過疎化が進み、大きな家にお年寄りだけという家庭も多いなか、キリコの鐘と太鼓の音、にぎやかな子供の声が聞こえる祭りは、やはりよいものだ。
本祭りでもキリコの担ぎ手不足で、キリコを出さない所が増える。都会の大学生などが助っ人として祭りに参加している在所もある。
*あご祭り*
諸事情により、どうしても本祭りにキリコを出さない年、在所もある。そのような場合は「あご祭り」と言う。
この場合の「あご」は顎のことで、キリコも出ないのに、酒を飲んで「顎だけまわす」からきているようで、いささか盛り上がりに欠けると思われるが・・・
年に一度の祭り、キリコも出してにぎやかにしたいものだ。
作り方
①コンブは濡れ布巾で表面をふき、汚れを取ってから水にしばらくつけ、水気を切る。柔らかくなったら切りそろえる
②ニシンは洗って、米のとぎ汁で柔らかく戻す
③コンブを好みの幅に何枚も重ねてニシンを芯にして巻く。(カンピョウまたは、ひもで縛る・・・ビニールものの方が縛りやすいし、解けないのだが、皿に出されたときには興ざめ)
④調味料を入れて煮る(だらだらと煮るとおいしくなる・・・名人の話)
以前は、祭りには必ずといっていいほど昆布巻きが出された。「喜ぶ」にかけて、正月のおせちにも作られていた。人それぞれに好みがあって、ニシンが大きいのが好きな人と小さいのが好きな人と。
昔は囲炉裏に大きな鉄鍋をかけてコトコト半日ぐらいかけて煮込んだそうだ。
昆布巻きはいつの頃から作られたかはさだかではないが、学業を終えた若者達が北海道へ出稼ぎに行った。行くと2~3年は帰られない。そして、ようやく帰られるときがくる、となると、みやげに昆布とニシンをぎょうさん持ち帰った。それは正月であったり、祭りの日であったり。それでハレの日に作られるようになったとか。