いかの鉄砲焼き
材料
イカ・ネギ・味噌・砂糖
エピソード紹介 厳選素材 イカ
イカのとれる時期になると、海岸からイカ釣り船のアーク燈が見える。
漁り火である。
夕暮時から、沖合いにイカを集めるために明かりがつけられていくのは、何とも風情がある。
また、珠洲・蛸島漁港に灯りを燈して停泊しているいか釣り船は見ごたえがあるので必見だ。
イカを選ぶ時には、身が透明に近いもので、皮につやのあるものを見分ける。
また古くなるに従って、目の形がくずれてくるので、目が飛び出したものがよい。
イカの主成分は良質のタンパク質で、脂肪が少なく成人病の予防にもよい。
刺身(イカさし、いかそうめん)・焼き物・煮物(サトイモ、ダイコンと合い口)・揚げ物(‘いか天’をするときは皮をきれいに剥がす)
刺身はわさび醤油が当たり前と思っている人も多いが、能登では生姜醤油・一味醤油・いしると食べ方もいろいろである。
贈答品の「船凍イカ(せんとういか)」
珠洲では、お土産や贈答品に海産物がよくつかわれる。
夏ならサザエ、冬ならカキ、カニ、冷凍の船凍イカをダンボール一箱お中元・お歳暮にもらったりするから大変。
主婦の腕の見せ所なのだが・・・こちらでは冷蔵庫の他にフリーザーがある家庭が多い。
海藻やキノコ、魚、野菜(湯がいたりして下処理済のもの)、干柿・干芋、クリ(皮をむいて生のまま、赤飯を炊く時に使用)、豆(ゆがいたもの・・・一度に大量にゆで、小分けして冷凍しておくと次回の料理が楽)、もち・・・自分で採ってきたもの、作ったもの、冷凍保存が出来るものは何でも詰まっている。
遠方からの来客時や祭り、時期外れに思い出して調理したり、食したりするのは楽しい。
(たまに次のシーズンに入ってしまい、慌てて処分なんてことも・・・)
作り方
①イカは内臓を取り出しきれいに洗い、足は細かく刻む
②ねぎも水洗いして、荒みじん切りにしておく
③味噌と砂糖で甘味噌を作り、刻んだ足とネギを一緒に和え、いかの胴に詰める
④口を楊枝で縫うように止めて焼く。
(焼いているときのポンッポンッが鉄砲の音♫)
◎「いかの鉄砲焼き」にはいろいろあり、卯の花と野菜を煮たものを詰めて焼いたもの、醤油あんのタレを付けて焼いたものなどがある。また、そのままいしるに漬け込んでから焼くのも能登ならでは。