呉汁(ごじる)
材料
大豆・だし汁・みみ(能登ではきのこ類を「みみ」と呼ぶ)・味噌
エピソード紹介 厳選素材:大豆&みみ
奥能登では、田の畦に枝豆を植えている農家が多い。
大豆を収穫すると、粒のそろった良い大豆はそのまま保存されたり、味噌に加工されたりして、形の悪いもの、小さいものをを呉汁にして食べる。
稲のはさぼし=写真=が終わると、そのはさに根のついたままの枝豆を長く干す。
(「はさぼし」は奥能登の秋の風物詩。お盆が過ぎると農家でははさぼしの棒建てが始まる。最近は道路わきのフェンスを利用する農家が増えて、背の高いはさが少ない。はざぼしの作業は、大変手間がかかることから年々数が減ってきているが、米の味は格別。一度食べたら他の米は食べられないとも。農家の人たちは、せめて自分達の食べる米くらいはと作業に励む。手間ひまかかるはざぼしの米は流通しにくいので、食すのは困難だが、農家の人に頼めば分けてもらえるかも知れない)
晩秋の日差しの中、庭先にござをひいて豆たたきをする。よく干せたものはパンパンといい音がする。
昔は、その豆殻で風呂をたいたりした。
絞った時に出来る豆乳は、わかして砂糖を少し加え、甘くして子供たちに飲ませた。
残りのおからは小麦粉をつなぎにふくらまし粉を入れ、油で揚げておやつにした(おからドーナツ)。
最近ではもっとお手軽にホットケーキミックスを使っておからクッキーなどにもしている。
*厳選素材 みみ*
しば茸・・・小松原に落ち葉を持ち上げて生えている。
(汁物、あるいは塩漬けにして保存し、季節はずれに、和え物、煮物にする)
ずべ茸・・・ずぼ茸、ずべっ茸とも言われ、茎が白く、かさが濃い茶色でヌルヌルしている。
(松林で取れ、たき込みご飯、煮物、呉汁に入れて食べる)
寒い朝、みみの入った呉汁を飲めば体も温まる。